「へ?」
想定外の結果に、あたしは目を見開いた。
あたしが、勝ったの?
「滝沢さんの勝ちだよ。」
常田君は言った。
「…本当に、867?」
「本当だよ。
何なら全部計算する?」
「ううん、いいや。」
そういう意味じゃなかったんだけどな。
「…やっぱり滝沢さんは凄いな。」
「そんな事ないよ。
今回超必死だっただけ。
…ねぇ、常田君。」
「何でいきなり勝負してって言った?って?」
「うん。」
言いたい事を先に言われて、あたしはそれしか言えなかった。
常田君はあまり間を置かずに言った。
「俺、学校辞めるんだ。」



