…微妙
テストが終わったからって楽しい事ばかりではない。
その後には、遅かれ早かれテスト返しというものがある。
時には笑い、時には泣き、一喜一憂のテスト返しは少しずつ進んでいく。
そして今、あたしはその返ってきたテストに頭を抱えている。
返された答案用紙とにらめっこしながら、教師が採点ミスをしていないかをチェックする。
だが、そう都合よく物事は進まない。
目を見開いて探そうと、ミスは1つ見つからない。
「そんなに暗い顔しないの!」
未来が前であたしの答案を見てる。
「ちょっと未来、勝手に見ないでよ。」
「見ないでよじゃないよ。
暗い顔してたから様子見に来たら、未来よりも明らか点数いいじゃない!」
未来はあたしに自分の答案を見せて言った。
「本当だよ。
これで落ち込むのは、あたしたちみたいな一般的な頭の人間への嫌がらせよ。」
阿紗子まで後ろからやってきた。
「でも…」
頑張ったのに。
そりゃ悪い点数ではない。
それは自覚してるし、普段ならそれ程落ち込みもしない。
だが、今回に限っては違う。
今回は勝負なのだ。



