「ちょっと、妃奈!?」
未来が止めるのも聞かずにあたしは走り出した。
教室を出た所で阿紗子にも会った。
「ちょっと待って妃奈。」
阿紗子はあたしのこれからの行動を見抜いたのだろうか、あたしの腕を掴んで止めた。
だが、今ここで阿紗子と話している暇はなかった。
「ご免、阿紗子、急いでるの。」
「あたしも一緒に行く!」
阿紗子は真剣な目で言った。
「…ありがとう。
でも、これはあたしの問題だから。」
そう、阿紗子には関係ない。
未来は、ちょっと関係あるかな?
みやびちゃんと3人でよく一緒にいたし。
でも、やっぱりこれはあたしとみやびちゃん、2人の問題だ。
あたしは阿紗子の腕を振り払ってみやびちゃんのいる教室に入った。



