もう隠しても仕方がなくなったあたしはどうすることも出来ない。
否、本当のことを言うと、何にもしたくない。
見られた見られてないに関係なく。
「妃奈、メール返しなよ。」
阿紗子が言った。
確かに、話しかける事は出来なくても、メールでなら少なくとも今の気持は伝えられる。
あたしは少し動きが鈍くなった指をボタンに集中させた。
゜゜ *+:。。:+* ゜゜ *+:。。:+* ゜゜
みやびちゃん、何で?
あたしが北条先生と付き合ってたから?
もしその事なら、黙っててご免なさい。
だけど、今は本当に付き合ってるとかそんなのじゃないから。
返事、ちょうだい。
。。:+* ゜゜ *+:。。:+* ゜゜ *+:。。
真剣に打ったメールを、誤字脱字が無いかチェックしてあたしは送信ボタンを押した。
送信中にチャイムが鳴った。
あたしはメールが届いたかどうか確認しないままケータイを閉じた。



