「それはまた別の話じゃん。
あたしは良いと思うけどな、良きライバルであり、良き友、みたいな?」


「山野さん…」


嬉しかった。


彼女の裏表の無い優しい心があたしの心に日の光を当てた。


「ありがとう。
阿紗子!!」


あたしは笑顔でそう言った。


山野さんはとびっきりの笑顔で返事を返した。


「これからは友達だよ、妃奈!」


オルゴールのようにチャイムが鳴った。


休み時間を迎える、喜びの音。


あたしと阿紗子は階段を上がり、授業が終わったであろう自分達の教室に向かった。


あたしは高校生活が半分以上過ぎたこの時に、かけがえのない一生ものの友達を作ったのであった。