気のせいだろうか?
屋上に行くまでに、何人にもの人に見られた感じ。
何だか怖い事が起きそうな気がした。
ただ、それが何かは今だに分からない。
あたし、何したの?
山野さんが重い屋上のドアを開いた。
嫌な音がしてから、外が見えた。
だけど、外は陰惨な雲に覆われていた。
あたしの不安は増大した。
外に出ると、全員が一斉にあたしを見た。
足が固まった。
「ねぇ、滝沢さん、」
山野さんが真っ直ぐに言葉を発した。
「本当なの?」
「…何が?」
「何がじゃないよ!
あんた分かってるでしょ?」
1人の先輩がそう言った。
分かってる?
分からない。
何?
何なの?
「先輩、ちょっと待って下さい。」
山野さんが言った。
「滝沢さん、北条先生と付き合ってたの?」



