あたしは未来に先に帰っててほしいと伝えた後、木下先生のところに行った。
「木下先生!」
「あ、滝沢さん!
ありがとうね、手伝ってくれて。」
「全然良いですよ。」
手伝いといっても、運動場中に散らばってるコーンを集めて倉庫に戻すだけだった。
それも、木下先生と話しながら。
「滝沢さんって珍しい子だよね。」
いきなりそう言われてあたしは少々ビックリした。
あたしってそんなに変わってる子なの?
って感じ。
「そうですか?」
「否、ご免なさい。
ちょっと誤解を与える表現だったわね。
その、北条先生について何にも聞いて来なかったのって、滝沢さんだけだから。」
なるほど。
そりゃ珍しい子だね。
あたしは妙に納得した。