「…ご免。
あたしの話だからきにしないで。
あと、いきなり呼び出した事も。


山野さんは慌ててそう言い、立ち去ろうとした。


それと共に、予鈴のチャイムが鳴った。


チャイムの音は上に広がる青とよく馴染んでいた。


「山野さん!」


「?」


彼女はドアの前で立ち止まる。


「あたしは山野さんには協力出来ないから、こんな事言うの変だけど、相談したり、ちょっとした事でも話せる友達は作った方が良いと思う。」


一瞬、何を言ってるのか自分で分からなかった。


あたしの今の発言は、友達の恋敵を応援する結果になる。


だが


「ありがとう。」


山野さんは笑顔をあたしに向けてくれた。


今の空のような雲一つないものだった。


その笑顔が、あたしの心を晴らしてくれた。