鈍いチャイムの音が鳴り、北条先生が教室に入ってきた。


そして北条先生はこう言った。


「平均点は…33点だ。」


は?


33?


嘘でしょ…


「そんなに難しかったか?」


「難しかったです!」


クラスの男の子が言った。


「だろうな。オレ平均25点ぐらいを目指して作ったもん。」


は?


平均25点を目指して作った!?


クラス中がざわめいた。


驚き、不平不満、…沢山の言葉が教室内に飛び交う。


「つまり、どういう事か分かるな?
皆にはそれだけ英語の実力があるって事だ。」





さっきまでのざわめきは消えて、シンとした。


「だからこれからも頑張り続けてほしい。
勿論、英語以外の教科も。」


そう言って北条先生は優しく微笑んだ。


皆の空気が少しだけ温かくなった。