「一つだけ、覚えといて。」 風が吹いた。 昴の髪が靡く。 「差別みたいに聞こえるかもしれないけど、妃奈は他の子と違う。 妃奈には昴と特別な過去がある。」 あたしはそれだけ言うと、風と同じ方向を向いて立ち去った。