妃奈は未だに昴が好きなんだ。


浮気されて別れたにも関わらず。


全ての始まり、昴と妃奈を引き合わせたのはあたしだ。


責任を感じないわけはない。


それに正直、姉としてはそんな次に進まない妹を本気で心配なのだ。


このまま妃奈が13の春のままで止まってしまうのではないか、と。


妃奈には幸せになってほしい。


昴なんて忘れてほしい。


そして今、妃奈と昴は生徒と教師。


そうかもしれないし、実際そうなってしまったなら、それ以下にも以上の関係にもなるべきではないだろう。


否、なってはいけない。


だからって、まだ昴のことを想っている妃奈を薄情に切り捨てるこの男の意見は気に食わなかった。