また空気が止まった。


北条先生はお姉ちゃんに背中を向けたまま動かないし、お姉ちゃんはその背中を睨み付けたままだし。


そんな状況下、あたしと未来が動けるわけがなかった。


あたしは願った。


みやびちゃん、もう一度喋って。


お願いだから。


そしたら、違う神の手が差し出された。


「滝沢さん、北条先生と、滝沢さんのお姉さん、知り合いなの!?」


あたしは山野さんに感謝した。


「う、うん。
そうみたい。」


あたしはとても不自然な笑顔で答えた。