それは北条先生も同じみたいだった。


おかげでこの地獄の空間は暫く続いた。


だが、


「妃奈ちゃんのお姉さん?」


みやびちゃんのその一言が皆を動かした。


「え?
あ、はい。」


状況に戸惑いながらもお姉ちゃんはそう返事した。


「初めまして。
私、妃奈ちゃんと仲良くさせてもらっている、如月みやびと申します。」


「初めまして。
妃奈の姉の、滝沢玲奈です。
妹がいつもお世話になっています。」


お姉ちゃん、何かぎこちない。


その時、北条先生が動いた。


今の隙に、この場から立ち去るつもりだろう。


だが…


「ちょっと待て!昴!」


お姉ちゃんは思いっきり大きな声でそう叫んだのだった。