「…妃奈、本当?」


お姉ちゃんは納得いかないような口振りであたしに尋ねた。


「本当だよ。」


「そう…
なら、ありがとう。」


「オレは別に良いよ。
じゃあな。」


そう言って北条先生は遠ざかっていった。


この日から、あたしを取り巻く環境が一気に大変な事になっていくなんて


この時は誰も分からなかった。


あたしも、お姉ちゃんも、北条先生も。