残暑とは言え、まだ日も登っていない明け方は涼しかった。 「昨日の事故、そうとう凄かったらしいな。 電車動いたの結構遅い時間だって。」 「そうなんだ。」 お姉ちゃんとか心配してくれてるだろうな。 あたしは携帯を見た。 特にメールとか電話は来てなかった。 あたしは安心した。 とりあえず心配かけるような事態にはなってないって事だよね? ふぅ、と溜め息を着くと同時に、バイクが動き出した。 何故か家に帰る事が惜しく思えた。