「先生酷いよ。」 「え?」 「先生は、生徒を好きになっちゃいけない立場かもしれない。 だけど、みやびちゃんのことちゃんと見てあげないと。 大勢の生徒の中の1人じゃなくって、“如月みやび”っていう、1人の女の子を。」 「でも、それは、」 「分かってる。 そう見たからって、結果は変わらないかもしれない。 でも、それぐらいしてあげないと、みやびちゃん可哀想だよ。 今の先生は、ちょっと冷たすぎる。」 「そうか。 …そうだよな。」 北条先生は納得したように、そうだ、と繰り返した。