すると、北条先生がバイクを止めた。 「北条先生?」 「なぁ滝沢。」 「?」 「ガソリン切れたって言ったら怒る?」 「…へ?」 「マジで。」 「冗談じゃなくって?」 「本気で言ってる。」 「えぇ!?」 あたしは近所迷惑など考える前に大きな声を出してしまった。 「ちょ、この辺家あるから!」 「あ、ご免なさい。 でも、ガソリン無いって事は、あたし帰れないって事…」 「ご免!!」 いや、ご免って言われても…あたしマジで帰れないし… どうしよう… あたしは疲れきっている頭で一生懸命考えた。