風がとても心地よかった。 夜の街は綺麗だった。 信号が赤だった。 勿論、気持ちよく走っていたバイクも止まる。 「滝沢、一旦オレん家寄っていい? 荷物邪魔だから!」 信号が青に変わった。 「良い!」 あたしはそれだけ叫んだ。 バイクは左折し、北条先生の家の方向に向かって行ってるのが分かった。 …あたしはどんどん懐かしい気持ちになっていった。 見覚えのあるお店、学校、マンション… 道が進むに連れ、見覚えのあるものが次々と目に入る。 昔よく歩いてたなぁ…