「蛍って、私服が浴衣なんだよ?」



「それ、彼女がプレゼントしてくれたからだろ?それから浴衣……」



「なんで知ってんの?」



担任は、口を抑えている。放課後の屋上は、誰も居ない。
オレンジの夕日をバックに担任は、溜め息を吐いた。



「はぁ、お前、俺の事試しただろ?」



「試した?なんで?」


あたし知らなかったし、担任が、蛍と仲が良いなんて。



「試してないなら、良いけど」



担任なんで蛍の事知ってるんだろ?



「奥さんって蛍のファンなの?」



「ああ、ファンクラブの会員番号100番らしい」



へ~知らなかった。奥さん居ることも知らなかったけど。



「担任は、帰らないの?」



「帰るよ……」



「ふ~ん……」



なら帰れば良いのに……



「お前は、帰らないのか?」