KEEP OUT!!


「ま、それはそれとして、だ。ちょっと聞きたいことがあるんだけど、さ」

 おや、どうしたのだろう。

 急に改まった感じで頬を掻く亮平。

 普段はおちゃらけ感満載だというのに、不意に視線が泳いだりポケットに手を入れたり出したりするものだからこっちまで変に緊張してしまう。

 こんな空気は今まで一度だって、ない。

「あ~、その、なんだ……」

「な、なによ……」

「っと、あれだ……なんつ~か……」

 ちょ、ちょっと、止めてよね。

 お腹の辺りがなんだかむずかゆくなってくるじゃない。

 なのに亮平ときたらさっきから「あ~」とか「う~」とかいってばかりで一向にそこから先をいう気配がない。

 ダメだ。

 た、耐えられない。

 早く、この場から立ち去りたい。

 もう!

 何かいいたいことがあるなら早くいいなさいよ!

 よくわからない汗が背中を伝う。

 いい加減、限界──

「あ、あのな!」

「ひふぇぃ!」

 唐突に勢い込まれたものだから返事が裏返る。

 手に持っていたバームクーヘンの包みの口がクシャリ、と音を立てた。

「ま、また明日!!」

「は?」

 いうが早いか、逃げるようにしてその場を走り去る亮平。

「…………」

 展開がよく飲み込めず、しばらくぽかん、と呆けるわたし。

 次第に固まった空気が溶けていき、