私の病は、云ってしまえば厄介なものだった。 世の中には知らなくていいことの方が格段に多いのだが、私はそのことを嫌というほど判っていながら抗えない病なのだ。 知りたいと思ってしまったら……。 否、知りたくもないのに、だ。 知ってしまったら、後は延々と続く底のない蟻地獄のようなもの。 私には、私自身にはどうすることも出来なくなるのだ。