今日に限って炎天下。



シンの額からは汗が滴り最早体力も限界だった。早朝から騎士学校では、警備として配置される場所の確認や千年祭の内容の確認など、とにかく確認する事がたくさんあり、結局解放されたのは昼だった。



視界がぼやける。



ちょっとやばいとそう思った時、肩を叩かれ振り返ると眩しい金髪が目にはいる。



ルークが持っていたタオルをシンの頬に当てる。そのタオルはひんやりと冷たかった。



「やる。お前、足元ふらふらしてたから心配してたんだけど……どうやら正解だったみたいだな」



ルークがにやりと笑う。さすが幼なじみで、さすが今注目の新人。シンは学校内でよくルークのこう言った話を耳にする。



シンは苦笑する。



「やっぱりわかっちゃうんだ……ルークはすごいね」

「バーカ、お前だからわかんだよ。無理してんのとか、全部。シンが俺をどう思ってるかわかんないけど、俺の唯一無二はお前だからな」

「……ルーク、ありがとう」

「それよりちょっと休めよ、お前の分まできっちり片づけてやるから」

「え、でも……」

「じゃあこれでいいだろ、千年祭で食い物おごれ」

「うん……!」



そう言ってルークは千年祭の準備をしているイルシオンの庭へと歩いていった。