父が見つかった。 私達が探しに行ったあの湖で。 父は・・・・生きて戻ってくることはなかった。 電車の中でずっと「面接に来たのは間違いだったんじゃないか」と思っていた。 こんなに電車が遅く感じたのは初めてだった。 私が家へ帰ると同時くらいに父の遺体も帰って来た。 父の顔はとても穏やかだった。 享年五十七歳。 父の人生は幕を閉じた。 その時、初めて私は泣いた。 でもこれで終わりではなかった。 .