100円玉を2枚青色のテーブルクロスに放り投げ、サトウさんに“ごちそうさま”と言った。


 ドアについている鈴みたいなのを、来たときと同じようにからんからんと鳴らして、ボクを外へ連れ出した。


 どうやら、今は夏。


 ムシムシして暑い。


 出てきたドアに視線をやると、“珈琲店”とだけ書かれた看板がかかっていた。


 ボク、珈琲店にいたんだ。


 喫茶店じゃなくて、珈琲店。


 この2人……何のために珈琲店に来たんだろ。


 居た時間、すごく短かったよね?