手術が成功することしか想定していなかったから“ありがとう”も“さよなら”も言ってなかったんだ。
死の可能性があるのは知っていたけど、死ぬなんて信じていなかったから、手紙にも“ありがとう”なんて書いてなかった。
ポタポタと落ちる涙は手紙を濡らすことはない。
時間の終わりを告げている。
言わなきゃ。
そう思った時に、ガチャッと開いたドア。
「アヤ……ト」
ドアを開けたのは、トモミ。
でも、ドアから入ってきたのはトモミだけじゃなくて。
「見たのか!?」
ボクが書いた手紙を隠したジュンもいる。
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