え?人がいたの?


「サトウさぁん、いつものコーヒーね!」


 男は“いらっしゃいませ”の声が聞こえた方にそう言った。


 その言葉になんとなく、ここが喫茶店か何かということが分かる。


 ますます、なぜココにいるかは分からなくなったけど。



 男女は、ボクの斜め前に座った。


 もう熱くない甘いミルクティーみたいな色のコーヒーを飲みながら、チラチラと男女を見てしまう。


 知り合いとかそういうんじゃないけど、なんとなく暇で視線の置き場所に困っているから、さ。