カップに口をつけて少し飲んでみると、かなり甘い。


 だけど、ボクにはちょうどいい甘さ。



 ……なんで、ボクはココにいるんだろ。


 懐かしい感じはするけど、記憶にない。


 一生懸命思い出そうとしてみるけど、思い出せない。


 額に手を当てて考えていると、からんからんと鈴みたいな音が鳴った。


 音が鳴った方を向くと、そこには小さなドアがあり、人が外からココに入ってきた。


 入ってきたのは2人の男女。


 どこか遠くから“いらっしゃいませ”という男性の声。