「そうじゃ。ティアラ様もこちらの酒をお召し上がりくだされい。」


臣下のひとりがティアラに杯を渡そうとする



「あ、あの。私、お酒は…」


「そう言わずにさぁ。」



(もうこの人も完全に酔っているわ。どうしよう。本当にお酒は飲めないのに…)


それに気づいたシリウスがひょいと臣下の持つ杯を受け取る



「ティアラは酒が飲めぬのだ。かわりに私がもらおう。」



「シリウス様。」



シリウスは杯をかたむけながらティアラを愛おしそうに見つめる




(あっシリウス様がみている。私、なんだか胸がドキドキして……)




「ぁ、あの。私、もうお部屋に戻ります。すこし…疲れてしまって…」



「ん……そうか。わかった、ゆっくり休むのだぞ。」



「は、はい。」