「はぁ………。」 少女は城のテラスから町を見下ろしながら、ため息をついた。 彼女は、町を楽しそうに走り回る子どもたちをみていたのだ。 わたしだってあんな風に 自分の好きなように城の外に出てみたい… それは彼女の一番の望みだったが、 叶う訳がない、と一番よく分かっているのは 彼女自身だった。 彼女はある理由でリリス国の外にでることは許されない。 城の外に出ることだって特別なことがない限り、 叶わないのだった。