身動きできないでいると花ちゃんから俺の首に腕をまわしてきて、顔を近付けてきた。 その瞬間……彼女は俺達の前から逃げるように走り去った。 「……離せよ」 「怖い顔。そんなに心が好き? そろそろ嫌がらせしていた犯人は私だってばらそうか?」 クスクス笑いながら離れていく花ちゃん。俺はため息をついて口を開いた。 「もう気付いてるよ」 「え?」 「心ちゃんは……誰から嫌がらせをされていたか分かってる」 俺の言葉に花ちゃんは目を見開いて驚いていた。