ダークネスとの戦いから一週間がたとうとする頃,サレスの城は元の静けさを取り戻しつつあった。



「暇ぁぁぁ」



バルコニーから仰向けに体を投げ出しながら,ロイが言った。



レイとロイは鍛錬の後のお茶を楽しんでいたのだ。



「なぁんか起こんねぇかなぁ。こうでっかい事がさっ」



そう言いながらロイはレイの正面の椅子に腰を下ろした。



「いいんじゃないか?こういうのんびりした日が続くのも」



飲みかけのカップをそっと机に戻しながら,レイは空を見上げた。



雲一つない快晴だ。



太陽の光を体いっぱいで感じるように目を閉じる。



そんなレイの姿を,ロイは嬉しそうに見つめた。



何もかも元通り。



正にその言葉がぴったりだ。



「なぁにしてんのよっ」



バルコニーで寛ぐふたりのもとにティファとリリーナがやってきた。



しばら4人で会話をするとティファがロイの腕をぐいとつかんで満面の笑みで言った。



「ねぇ。今日こそ私の買い物に付き合ってよ?
昨日も一昨日も断ったでしょ」



そんなティファの言葉にロイは文句を言いながらも,



「ちょっと行ってくるわ」


と後ろでにヒラヒラと手を振りながらティファに手を引かれ出て行った。