「みきちゃん」


毎晩寝る前に彼の声を思い出す。

優しい声で私の名を呼ぶ、たっくんの声を。


未来なんてわからない。

先のことなんてわからない。


でも、きっと、彼は私を見つけ出すだろう。

低く美しい声で、唄いながら。



「みきちゃん」






(終)