いらないって言ったのに…。 あたしはフライドポテトをかじりながら、思う。 「帰る家、あんのか。本当に。」 「ある…けど。」 「けど?」 問い詰めるような目で見てくる。 「色々ある。」 答えたくないから、お茶を濁した。 そしたら、良壱が口を開いた。 「じゃ、しばらく俺の家にいろよ。」 「は?」 「留守番犬ってことで。」 あたしはポカンと口を開けていると、良壱はまた「帰るぞ。」と言った。