そんなこんなで、浩介の部屋から出たあたしと浩介は、探索に出掛けることにした。



「っ……最悪だな。あのオヤジ」



浩介は、歩きながら腕をさする。縛られた場所が痛かったみたいだ。



「大丈夫?」



「ああ……一応な」



「そっか、なら良かった!」



大変な事になったな。静留姉に後で電話しよっと。



奇跡的に、携帯は持ち歩いている。
いつもは、あまり持ち歩かない。



持ち歩いてても、あまり意味がないからだ。あまり電話などしないから……



「静奈と同じ学年だろ?俺……留年なんてした設定になってんだぜ、きっと」



浩介は、少し落ち込んでいる。



「あたしなんて、生まれて初の男子校だよ!?正直イヤなんだけど」



「静奈は、俺が守ってやるよ」



浩介……



「ありがとう!」



笑顔を向けると、浩介は真っ赤になった。



「っ……反則!!」



ふふ、浩介可愛いな!真っ赤になって