「はぁ……」 思わずため息。 「素直じゃないなぁ」 そう一言呟いてから、俺は美雪の手から強引に鍵を取り、閉めてやる。 「一応、お礼を言います。ありがとうございました。でも、もう私の前に姿を見せないで下さい」 なんで視線を合わせないんだよ。 今の美雪のセリフとは裏腹で、その表情は俺を嫌悪しているものではなく……泣きそうな顔をしていた。