で。 思わず自然に体がこめかみに2本指当てて、何故かウインクまでして……。 「じゃぁ、おやすみ〜」 そう言い残して、その場を走り去った。 「ちょっと〜、涼さん!」 背中の方で美雪の声がした。 ごめん、今、俺、振り向けない。 俺は振り返らずに、手を振って見せた。 多分……顔、真っ赤……だと思う。 合宿所の方へ行くと、美雪の兄貴と会ってしまうと思い、俺は逆の方へひたすら走った。