「涼さん」 「自主練するんだろう? 体育館空いたぞっ!」 彼女が微かに俺を呼んだが、その声はその男の言葉に掻き消された。 ああ、ダメ……気になる。 「今、行くー!」 彼女が立ってその男に答えた。 そっか、もう行くんだ……仕方ないよな。 でも。 これだけは確認しておこう。