「あー、今、沖で漁する方の『漁』を思い浮かべただろうっ? 残念だけど『リョウ』の字は涼しい方の『涼』だかんな〜」 すると、また彼女が笑った。 ドキン その笑顔が可愛いので、思わず心臓が鳴った。 「沖野さんって、お年いくつなんですか?」 うわっ、その質問は、今はダメ。 そうでなくても彼女は距離を置いてるのに、ますます間が……。 もっと近付きたいんだ、心の距離が。