「すみません!」 その人物は開けてすぐそれだけ言うと、体を2つに折り曲げ、膝に両手をついて、肩で息をしている。 ああ……たった一言だけど……久し振りに聞いたこの声……。 「東野、随分と『早い』登校時間だな」 「美雪、『おはよう』、髪切ったんだね~」 そんなクラスメートからの声が掛かる。 そう、俺が知ってる美雪はセミロングだったけど、今はショートカットだった。