「じゃぁ、また。今度、それ取りに来るから」 俺は美雪が持ってるジャケットに目配せして言った。 でも、美雪から返答が無かった。 また、何か考え込んでいる。 ここ最近、こんな感じの後、何か言い掛けて止める……と言うパターンが続いてたので、今日もそうかなぁ……と思ってた。 ところが。 今日はいつもと違った。 美雪の視線は手にしていたジャケットだったけど、表情には固い決心のようなものが現われていた。