すると、美雪は、ハッ、と我に返った。 「あっ、うん」 そして、そう言って歩き出した。 でも、1歩1歩がゆっくりしていたので、やっぱり歩くのもひどいのかな……と思ってしまう。 「大丈夫か? 頭、フラフラするなら、肩貸すぞ?」 「ううん。大丈夫」 俺の問いに美雪はそう答えると、少しだけ速度が速まった。 お互い無言のまま体育館を出る。 美雪の体調が回復したら、ちゃんと話そう……俺の今の気持ち。 取りあえず、今は体調が心配。