「そんな事、気にしなくていいよ」 俺はそう言いながら、ジャケットを受け取ろうと、手を出した。 でも、美雪は逆に自分の手元に、ギュッ、と引き寄せた。 「あっ。洗って返す」 えっ? 「いいよ、そんなの」 「でも……」 そう言った後、美雪は少し考え込んだ。 そして。