「うわぁ〜、ひでーこと言うなぁー」 思わず、素直な感想が口から出る。 けど、相変わらずリンゴみたいに赤い美雪を見て、照れ隠しだと分かるので、俺は続けて言った。 「俺、寒そうに寝ている美雪の事、助けてやったんだぜぇ? これ位、いいだろうが」 ──もっともっと、俺の事だけ考えて欲しい。── そんな欲張りな思いが、胸に広がる。