君の笑顔の傍に居させて


俺は手の中にある、『人質』ならぬ『物質(ものじち)』の鍵を見せると、美雪は『あっ』と言う表情をして、それを取ろうとした。

俺は取られない様に、手を引っ込めた。



「どう言う事なんですか? 鍵、返して下さい」


「代わりに質問に答えて欲しいな」


「交換条件なんて、ずるい!」


美雪はそう怒鳴ったけど、俺は質問を続けた。




「どうして俺を避ける?」

その言葉に、美雪の体が、ビクン、と大きく揺れた。