クラスのほとんどが

進学を希望している。

私は何になりたいのか

自分で分からない。

服を作ったり、販売をしたり

おしゃれをしたり、

夢を考えた事がなかった。

だから今まで漠然と

生きてきたかも知れない。

「千佳子って。趣味を

活かすことはしないの?」

「趣味ってない。」

「じゃあ誰かと結婚でも

して専業主婦にでも

なったらいいじゃないの。」

「誰も相手はいません。」

「相手か。そういったら

担任の長谷川先生、

この前綺麗な女の人と

歩いてる姿見たよ。

あれ絶対に彼女だよ。」

「本当?嘘?」

「だってあんな笑顔で

歩いているなんて

絶対に彼女だよ。」と

久美子が言った。