きみのて

温泉ホテルへは、大学から出発して2時間ほどで到着してしまった。

出席番号順にバスに乗り、彼女とはバスが別だった。


バスから飛び降り、ケンちゃんを見つける。


「どうしようケンちゃん!まじ気まずかったらどうしよう!」


「落ち着け。
もし気まずかったら俺らと飯食えばいい。」

「じゃあ気まずかったらよろしくね!」



もう先発のバスに乗っていた面々は各自部屋に入ったようだ。

わたしは先に彼女が到着しているであろう部屋のドアに、緊張しながら手をかけた。


・・・よしっ!!



そろそろと部屋に入ると、彼女は既に寛いでいた。


「加藤さん?タバコ吸っていい?」


いきなり彼女がわたしに言った。


「どっどうぞ!!」

「やー、部屋あんたと一緒でよかったわ。他の女の子達とは仲良くなれそうにないし。」


あっそうなの!?
よかったの!?


予想外のコメントに、声がうわずる。