「いいえ、気にしないでください。お嬢さんが早めに手続きを終えたい気持ちはわからなくもないですから。」
「そうですよ。凌葉の外部受験での入学は手続きが面倒ですからね。事務の私たちですらそう思います。」
……は?
男たちから発された言葉の意味が理解できず、フル回転を続ける思考。
笑い合う大人たちの声なんて、今の俺には聞こえない。
“凌葉”
“外部受験”
“入学”
でも何度考えても、たどり着く答えは一つで。
信じがたい現実がまた増える。
だけど俺、何にも聞いてない。
そんな大事なこと、陽路は勝手に決めた?
陽路まで俺をおいて、違うところに行っちゃうの?

