君がいた日々


黙々と一人で家までの道のりを歩む。
まだ昼前、青い空を見上げれば、まぶしい太陽が燦々と降り注いでいた。

ちょっと狭いこの道も、通りすぎた公園も、全部が思い出の場所。

どこに行っても蒼兄の面影を探してしまうのは、きっと俺だけじゃない。
むしろ陽路の方が、俺よりも重傷だろう。

余りに思い出があり過ぎて、互いに距離が近すぎて、ここにいること自体、陽路にとっては酷なことに違いない。

すると突然、ボーってしていた頭に後ろから響いた短いクラクション。
驚き、慌ててさらに壁際に寄れば、見慣れない高級車が通り過ぎていった。
この道をあんな高級車が通るなんて珍しいな、なんて不思議に思いながら、家に向かう足を早めた。