君がいた日々


相変わらずな呼吸を繰り返す陽路。見ているこっちも苦しくなるし、不安が募る。

そんなとき、紙袋を手にしたおばさんが部屋から出てきた。そして俺たちの方に歩み寄ると、その紙袋を陽路の口元にあてがう。陽路が呼吸をする度、紙袋が音をたてた。

しだいに落ち着いていく呼吸…。それを見て、ほっと胸をなで下ろす。


「…これで大丈夫。 ちょっとビックリしたわね。」


目を閉じたままの陽路の頭をなでながら、おばさんはそっとそうつぶやいた。

でも俺からしてみたら、ちょっとどころの騒ぎじゃなかったんだけどね。
乾ききらない涙のあとが、それを証明していた。