「な、んで…? 夏休み、蒼笑ってたよ?」
ゆっくりと陽路が発した言葉。
おばさんの視線が、再び陽路を捉える。
「あの子、小さな頃から持病があってね。夏休み最後の日の夜、急に容体が悪くなっちゃって……」
持病…?
そんなの俺、知らない。
隣の陽路の様子から、陽路も知らなかったんだろうと想像できた。
「本当は、夏休み中も体調は悪かったみたいなのに、あの子何にも言わなくて。病院に入ってからも、みんなには黙っててって言って…」
目頭を押さえるおばさん。
でも俺は何やってたんだろう。蒼兄と毎日のように一緒にいたくせに、持病のことを知らないばかりか、少しの異変にも気づくことができなかったなんて……。

